渡邊雄太が語るNBA本契約と東京五輪。八村塁のすごさにも言及した (4ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文・撮影 text & photo by Sugiura Daisuke

――今年はNBAプレーヤーとしても重要な年であり、同時にオリンピックイヤーでもあります。ずっと目標にしていた2020年を迎え、今年にかける思いは湧き上がってきていますか?

「うーん、オリンピックは漠然としていた部分があって、気づいたら2020年になっていたという感じでしょうか。今は自分の目の前のことに必死。実は、あまり東京五輪が近づいているという実感がないんですよね」

――それでは、ここであらためて考えていただいて、東京五輪においてどんなことを成し遂げたいですか?

「プレップスクール、大学とアメリカで過ごしたので、これまではなかなか日本でプレーする機会がありませんでした。日本のお客さんの前でプレーできる経験は貴重です。両親、友達、恩師、ずっと応援してくれている人たちのためにも、いい結果を残したいです。日本代表の力は絶対についてきています。五輪はワールドカップよりもさらに高いレベルのチームしか出てこないので、簡単ではないですが、今はしっかりとそれぞれがやることをやって、オリンピックで結果を残したいと思っています」

――八村選手、馬場選手といった"アメリカ組"も参加し、「現在の日本代表は史上最強じゃないか」という声も高まっています。そんなチームが迎える東京五輪は、日本バスケにとって重要な舞台になるという考えはありますか?

「ワールドカップでもそうでしたが、周囲の期待は感じています。当然、勝てばすごく盛り上がると思いますし、それが日本の将来にもつながっていくと思います。しかし負けたら、『やはりこんなものか』と思われてしまいますよね。周りの声を気にしすぎてもしょうがないですけど、日本のバスケを盛り上げたいと考えるひとりとして、いい結果を残して、日本のバスケがもっと盛り上がればと思っています。そういった意味で、責任を感じてやっていかないといけませんね」

――それでは最後に、2020年の目標を教えてもらえますか。

「まず個人としては、グリズリーズとの2ウェイ契約は今季で終わりなので、何とか本契約を勝ち取りたいです。東京五輪に関しては、さっきは『まだあまり考えられてない』とは言いましたけど、やはり楽しみにしています。お世話になった人の前でプレーして、今までの恩返しができればいいですね。2020年は僕のバスケ人生の中で一番大きな年になるんじゃないかなと思っています」

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