レブロンが新天地レイカーズで笑顔な理由。「すべてのゲームが学び」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Image

 レブロンは当然のように平均得点、アシスト、リバウンド、スティールのすべてでチーム1位の数字を残しているが、孤軍奮闘のイメージはない。これまでのキャリアと同じように、とくにゲーム前半は、プレイメーカーとして周囲の選手たちを巻き込もうと努めている印象がある。まずは同僚たちの力を引き出し、勝負どころで自らがステップアップして勝利を手にするのがレイカーズの勝ちパターンになっている。

 2日のサンズ戦では、一時は8-25と大量リードを許しながらも、22得点、8アシストのレブロン、そのゲームで最多の23得点を挙げたクーズマの活躍で楽々と逆転勝利を飾った。レブロンは第3クォーターに10得点を挙げてサンズを引き離し、第4クォーターはプレーする必要もなし。試合後には、チーム2位の平均16.6得点を挙げているクーズマとレブロンの間に"ケミストリー"が生まれつつあることが話題になっていた。

「(クーズマは)攻守両面で上達し、オールラウンドなプレーを続けているよ」

 レブロンはそう語り、自らを慕う23歳の後輩の活躍に目を細めていた。このように絶対の司令塔&プレイメーカーとして君臨し、若手たちを成長させていくのが、新天地1年目の目標のひとつなのだろう。

 もちろんレブロンがいるチームであれば、最終的にはファイナル制覇が目標になることは間違いない。今季も可能な限り多くの勝ち星を手にし、チーム関係者、ファンに明るい未来を感じさせなければならない。

 ただ、ここまでのレイカーズは予想以上に健闘しているとはいえ、現時点ではファイナルに進出できるチームには見えないのが現実だ。

「現状では優勝を争えるチームではない。レブロンがいる限りチャンスがあるのはわかっているが、総合力があって、経験でもレイカーズを上回っているチームがウェスタンにはたくさんある。今年は、同じメンバーのまま戦い抜くと想定したうえで、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ユタ・ジャズ、ヒューストン・ロケッツ、さらにはデンバー・ナゲッツ、オクラホマシティ・サンダーあたりより上にくることは考えにくい」

 開幕前の時点で、AP通信のブライアン・マホーニー記者はそう予想していた。ここまではジャズ(12勝13敗・11位)、ロケッツ(11勝12敗・13位)が出遅れているが、地力のあるチームは徐々に巻き返してくるだろう。層の厚いカンファレンスで、レイカーズがチームとしての経験不足を思い知らされるケースも出てくるはずだ。

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