熾烈なサバイバル。渡邊雄太が
実感しているGリーグとNBAの「格差」 (4ページ目)
前述のとおり、Gリーグは華やかさとは無縁で、日々、熾烈なサバイバルレースが行なわれている戦場だ。多くの元NBA選手、NBAまであと一歩の選手が属しているため、決してレベルは低くない。
11月11日に行なわれた試合も、会場は空席が目立った 開幕当初はグリズリーズから故障者が続出したため、2ウェイ契約の渡邊にも意外に早くNBAデビューの機会が回ってきた。だが、グリズリーズのケガ人は徐々に復帰しており、今後しばらくはGリーグでのプレーが中心になる可能性は高い。
本人も繰り返し述べているが、NBAでの渡邊はディフェンスと献身的な姿勢でのチームへの貢献が期待されるロールプレーヤー。そんな最高レベルへの定着を前に、まずはディフェンスが軽視される傾向があるGリーグで腕を磨いておくのもいいだろう。必死に得点を取りにくるハングリーなスコアラーたちを相手に、学び、経験し、そしてアピールできる部分は確実にあるはずだ。
「If you can handle the G league, you can handle anything. (Gリーグでやっていけるのなら、他のすべてをこなす準備ができたと思っていい)」
昨季まで、クリーブランド・キャバリアーズのトレーナースタッフの一員として活躍した中山佑介氏は、GリーグのあるGMの言葉を紹介していた。この言葉はまさに現在の渡邊にも当てはまる。日本バスケットボール界期待の星は、過酷な環境でさらに逞しくなる。ここで学んだことは、近い将来に間違いなくNBAの舞台で生きてくるはずだ。
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