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恐竜か一角獣。NBAドラフト1位
216cmの恐るべき潜在能力 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 試合後のロッカールームで、エイトンは言った。

「バスケットボールをプレーしてきて、一番面白かった! 最初の試合。これから何試合もこういう試合をできるなんて、すごくハッピーだ」

 プロの世界は、競争を楽しむメンタリティがないと生き延びることはできない。なにしろ、毎試合、気を抜くことができる相手はいない。サンズもマブズ戦後の3試合は、ビジターにとっての難関――高地デンバーでのナゲッツ戦、2連覇中の王者ゴールデンステート・ウォリアーズとのアウェー、そしてホームに戻ってレブロン・ジェームズ率いるロサンゼルス・レイカーズ戦と、息をつく間もなかった。

 ナゲッツ戦で巧者ニコラ・ヨキッチを守るのに苦労してファウルトラブルに陥れば、王者ウォリアーズのバスケットボールには翻弄され、勝ちに飢えていたレイカーズにも突き放された。その後、メンフィス・グリズリーズとオクラホマシティ・サンダーにも負けて5連敗(現地10月30日時点)。エイトン自身は6試合平均17.5得点・10.3リバウンド・3.8アシストと十分に活躍を見せているが、それでも開幕早々、相手から狙い打ちされるのを感じたという。

「みんな僕のところから攻めようとしてくる。僕がどれくらいできるか見てみたいんだと思う。ルーキーに対しての、本物かどうか試すようなものなのだろう」とエイトン。

「でも、僕は負けず嫌いだ。競うことが大好きだ。それが僕の性格。ただ、それをチームとしてやらなくてはいけない」

 実のところ、エイトンがNBAでも「本物のユニコーン」と呼ばれるのに価(あたい)するかどうかは、まだこれからコート上で証明していかなくてはいけないことだ。現状、プレースタイル的には、ポストアップからの攻撃を好むダイナソーに見える。

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