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過去7年すべてNBAファイナル進出。
レブロンの神話はまだ続くのか (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 シリーズの行方を決定づけたのは、第3戦のレブロンのブザービーターだろう。103−103の同点で迎えたゲーム残り8秒、レブロンは左サイドからアタック。必死のマークにあってゴールに正対できず踏み切ったフローター(シュート)をバックボードに当ててねじ込んだ。会場は異様な興奮に包まれたが、観戦していたレブロンの息子は、このミラクルなシュートに顔色ひとつ変えず、こう言った。

「It's normal(普通のことさ)」

 そのシーンを見た「レジェンド」コービー・ブライアントは、「レブロンを絶対に左に行かせてはいけない。俺がマッチアップするなら、まず左に行かせないようにする」とコメントした。しかし、それができるプレーヤーがセルティックスにいるのか......。

 セルティックスのスターティングラインナップのなかにカイリー・アービング(PG)とゴードン・ヘイワード(SF)の2選手、いや、せめてどちらかひとりの名前があれば、と思えてならない。キャブスのケビン・ラブ(PF)、J・R・スミス(SG)といったベテランがプレーオフに入って尻上がりに調子を上げているのを見ても、やはりプレーオフは経験が大きくモノをいうのは間違いないからだ。

 現在のセルティックスを牽引するのは、ルーキーのジェイソン・テイタム(SF)、3年目のテリー・ロジアー(PG)、2年目のジェイレン・ブラウン(SG)といった若手プレーヤーたちだ。41歳と自身も若いブラッド・スティーブンス・ヘッドコーチ(HC)は、「若さを言い訳にするな」と選手を鼓舞する。

 それでも、昨季のカンファレンス・ファイナルでは4勝1敗でキャブスが勝利しているように、両チームともロスターの多くが変わったといえ、キャブス有利は揺るがないだろう。

 ただ、6度の優勝経験を持つスコッティ・ピッペンは、「セルティックスがキャブスを倒せると思っている。彼らはプレーオフに入り、大きな自信を持ってプレーしている。若いプレーヤーたちがステップアップし、リーダーシップも発揮している。レブロンには、テイタムがすばらしいマッチアップ相手になるだろう」とコメントしている。

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