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NBA得点王争いはタイプの違う
3人のポイントガード。制するのは誰? (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 それでもハーデンは、過去にダントーニHCが率いて旋風を起こしたフェニックス・サンズのPGスティーブ・ナッシュの映像を繰り返し見て、PGについて学んだという。その結果、ロケッツのオフェンスシステムの変更もあるが、昨季の平均7.5アシストから平均4本近くアシスト数を増やしているのだから、天才的センスとしか言いようがない。

 もちろん、ハーデンの爆発的なオフェンス力も健在。12月31日に行なわれたニューヨーク・ニックス戦で53得点・16リバウンド・17アシスト、1月27日の76ers戦では51得点・13リバウンド・13アシストを記録。ちなみに1シーズンに50得点超えでのトリプルダブルを複数回達成したのは、過去に4人しかいない(ハーデン、ウェストブルック、ウィルト・チェンバレン、エルジン・ベイラー)。

 そしてトーマス。高さよりもスピードやハンドリング能力が求められるPGの身長が低いことは、もはや常識と言っていいだろう。それでも175cmのトーマスは、190cmのウェストブルック、196cmのハーデンと比べても格段に小さい。そのためトーマスは、「NBA史上もっとも身長の低い得点王」アイバーソン(公称183cm)と比較されることも多い。

 だが、トーマスとアイバーソンのプレースタイルは対極と言っていい。アイバーソンは群を抜く身体能力と、理屈よりも本能的なムーブで得点を量産した。もちろん、トーマスも高い身体能力を誇るが、アイバーソンには及ばない。しかし、本能よりも日々の練習で技術を向上させ、年々得点力を向上させている。その高いスキルは、全世界の身長の低いプレーヤーの手本となるはずだ。

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