NBA最強ウォリアーズを上回る「超攻撃的チーム」が旋風を起こすか (5ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 ロケッツは今オフ、外からのシュート力に定評のあるエリック・ゴードン(SG)とライアン・アンダーソン(PF)をニューオーリンズ・ペリカンズから獲得した。まずはハーデンがドライブで得点を狙い、複数のディフェンスがハーデンに釣られれば、アウトサイドでノーマークになっている選手を探してキックアウトする。パスを受けた選手がアウトサイドショットで得点を狙うというスタイルだ。

 このオフにはヘッドコーチも変えた。新たにロケッツを指揮するのは、オフェンス好きのマイク・ダントーニ。フェニックス・サンズ時代に「ラン&ガン」で一世を風靡した新HCの手腕にも注目したい。

 多少の失点には目をつむり、とにかく大量得点を狙うスタイルは、ディフェンスで手を抜く傾向があるハーデンにピッタリ。今季のロケッツはまさに、ハーデンの、ハーデンによる、ハーデンのためのチームが完成した。その思惑どおり、プレシーズンゲームでは平均118.6得点を記録し、平均112.7得点のウォリアーズを2位に追いやり、リーグNo.1の攻撃力を披露している。

 ウォリアーズに総合力や正攻法で勝つのは、まず不可能。そう考えると、スパーズやクリッパーズは正面突破でいい試合こそすれども、競り負ける可能性が高いように思える。逆に、特化した武器とスタイルを持つロケッツのようなチームのほうが、ウォリアーズに勝つ可能性はあるのではないだろうか。

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