2014.08.06

【NBA】21歳で米代表を支える「A・デイビス」という逸材

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by Getty Images

 2年前、ロンドンオリンピックの時のアンソニー・デイビス(当時ケンタッキー大学1年/パワーフォワード、センター)は、アメリカ代表チームのベンチ要員兼荷物持ちだった。19歳でニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)からドラフト全体1位で指名されたばかり、プロ選手としてのスタートを切る直前のことだ。もともと、一度は最終ロスターから外れたのだが、ブレイク・グリフィン(ロサンゼルス・クリッパーズ)の故障で代表に復活した。ベテランのチームメイトたちはみな、こころよくルーキーだったデイビスをチームメイトの一員として受け入れてくれた。だが、ルーキーとしての仕事もやらなくてはいけなかった。エリート選手の仲間入りしたことが嬉しかったデイビスにとって、それもいい思い出だ。

2012年ドラフト全体1位でNBA入りした現在21歳のアンソニー・デイビス「まるで昨日の出来事のようだ。あの遠征でのこと、経験したことについては、すべて鮮明に覚えている。試合のあと、みんなにタオルを渡したり、バッグを運んだり、食べ物を持っていったり......。あの時はまだ(NBAに入ったばかりの)ルーキーだったからね」

 結局、ロンドンオリンピックでは8試合中7試合に出場したものの、平均出場時間はわずか7分半。才能の片鱗は見せたが、スポット的な役割に終わった。

 あれから2年経ち、今年8月30日からスペインで行なわれるFIBAワールドカップのためにアメリカ代表に招集されたデイビスは、当時よりパワーアップ。体重を20ポンド(約9キロ)ほど増やし、この2年間のNBA経験でたくましくなっていた。アメリカ代表ヘッドコーチ(HC)のマイク・シャシェフスキーからも、中心選手のひとりとして指名されている。サイズ不足・ビッグマン不足が懸念されるアメリカ代表の中で、唯一、キャンプ開始前からロスター入りが確実な、208センチ・100キロのビッグマンだ。

 NBAのスター選手を率いるシャシェフスキーHCは言う。

「彼には今年、他のどのチーム(国)にもいないような5番(センター)になってもらう必要がある。みんな、私たちに何が足りないという話をするけれど、他の国には、『彼』はいないからね」