2012.11.23

【NBA】ダントーニ新監督が語る「新生レイカーズの目指すスタイル」

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

歯車が狂ったロサンゼルス・レイカーズの復活を託されたマイク・ダントーニ新監督  いつ、誰が言い出したのか、ロサンゼルスの人たちはレイカーズとその周辺の世界のことを、愛情を込めて『レイカーランド』と呼ぶ。ディズニーランドやハリウッドにも負けないくらい、華やかでドラマチックな世界だ。

 それにしても開幕からの2週間は、『レイカーランド』の基準でも、かなりドラマチックな日々だった。優勝するために夏に大型補強したにもかかわらず、開幕から負け続け、わずか5試合でヘッドコーチが解任。新ヘッドコーチにはレイカーズで5回、NBA11回の優勝経験を持つ名将フィル・ジャクソンが有力候補とされながら、一転、「オフェンスの天才」と言われながらNBAでの優勝経験のないマイク・ダントーニが選ばれた。ジャクソン復帰を期待していた多くのファンからは不満が噴出し、レイカーズOBのマジック・ジョンソンまでもがレギュラー出演する番組で、「新コーチにはフィル・ジャクソンを選ぶべきだった」とチーム首脳陣を批判していた。

 まるで、ヒョウと雷雨と台風がいっぺんに押し寄せたかのような荒地に、ダントーニはやってきた。人工ひざの置き換え手術をしたばかりで、松葉杖をつきながら、痛々しい姿で優勝を期待された名門チームのヘッドコーチ就任会見に登場した。

 ところが、ダントーニが席につき、話し始めると、空気が一変した。何しろ話がうまく、人を惹きつける魅力がある。たとえば選手の役割について、前コーチのもとでは試合ごとに出番の減っていたシューターを例に、こう言った。

「ジョディ・ミークスがシュートを打たなくてはいけないのは、ボールを手にしたときだけで、それ以外のときは打たなくていいからと彼にも言った」と、会場を笑いの渦に巻き込む。冗談めかした表現だが、それぞれの選手が、自分の得意とするプレイをすることでチームに貢献するように仕向けるのがダントーニ流だった。

 ダントーニがフェニックス・サンズをコーチングしていたときには、アップテンポな『7秒以下のオフェンス(攻め始めて7秒以内を目安にシュートを打つ攻撃)』を用いていた。しかし、今のレイカーズは、当時のサンズよりもベテラン選手が多い。果たしてこのチームでも、アップテンポな攻撃スタイルで選手を走らせるのだろうか。その問いに、ダントーニは言う。