【ラグビー】マイペースで世界へ。日本の宝、松島幸太朗

  • 松瀬 学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 長尾亜紀●写真 photo by Nagao Aki

 ラグビーのトップリーグは第1ステージが終わり、A組のパナソニック、B組のサントリーなど各組上位4チームが順当に第2ステージ上位グループ進出を決めた。その中で最大の不思議は、「日本ラグビーの宝」、日本代表の松島幸太朗(21・サントリー)の第1Sのトライ・ゼロである。

相手ラインを突破するサントリーWTB松島幸太朗相手ラインを突破するサントリーWTB松島幸太朗 19日の秩父宮ラグビー場。薄暗い通路の隅で、NTTドコモ戦(61-12)を終えたばかりの21歳はいつものポーカーフェイスを少し歪めた。

「何回かトライ・チャンスはあったんですけど、ちょっと、うまくコミュニケーションがとれなくて...。ただ要所要所で自分のプレースタイルは出すこともできた。満足ではないですけれど、徐々に調子が上がってきている感じですね」
 
 松島はケガもあって、第1Sの出場は7試合中3試合にとどまった。ポジションがFB(※1)からWTB(※2)に変わった。チーム1年目。まだサントリーの攻撃ラグビーの中で十分に生きても、生かされてもいない。
(※1)フルバック。最後方に位置し、バックスを統率するポジション
(※2)ウイング・スリークォーターバック。攻撃の際はライン際に位置し、トライを取りに行くことが求められるポジション

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