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【F1】角田裕毅にとってシンガポールGPは鬼門 過去2回いずれもクラッシュ「今年はなんとか完走したい」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【今はウイリアムズが中団トップ】

 さらにシンガポールは、もともとRB・VCARB 01が得意としているハイダウンフォース仕様のサーキットだ。モナコやハンガリーと同様に好走が期待できる。

「クルマの特性的には悪くないサーキットだと思いますし、空力性能で負けている部分をマシン特性で挽回できる部分もあると思います。バクーでは思っていたよりもマシンアドバンテージがなくて、むしろウイリアムズとハースのほうが速かったんですけど、シンガポールはアゼルバイジャンとはまた違うコースなので」

角田裕毅のバクーは早々に終わってしまった photo by BOOZY角田裕毅のバクーは早々に終わってしまった photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る アゼルバイジャンもこれまで得意としてきたサーキットだったが、今年はウイリアムズがアップデートでマシンを大幅に改善してきたこともあって、週末を通して0.3秒以上の差が縮まらなかった。

 ウイリアムズは空力効率を大幅に向上させてきており、コーナーでしっかりとダウンフォースを確保しながら、ドラッグ(空気抵抗)は小さくてストレートも速い。だから空力効率が問われるモンツァやバクーでは、中団トップの速さを示したのだ。

「今はウイリアムズが中団トップのクルマです。彼らも中団トップのランキング6位争いに加わってきていますし、このままの調子でいくとポイント的にもけっこう危ない(逆転される可能性がある)んじゃないかと思います」

 だからこそRBもマシンのアップデートが急務だ。しかし、それはオースティンのアメリカGPを待たなければならない。

 今回は現状のマシンパッケージで、それでも十分に得意で戦えると見られるシンガポールだからこそ、しっかりとポイントを獲得しておかなければならない。

 灼熱と湿度、そして休む暇もなく連続するコーナー。シンガポールはシーズンのなかでも別格のタフさだと、多くのF1ドライバーたちが口を揃える。

 肉体改造で体力には自信のある角田にとっても、かなりタフなレースだという。

「この暑さと湿度は厳しいですし、コースが壁に覆われているので風も入ってこなくて、コース上にクルマからの熱と湿度が滞留するんです。いい空気が入ってこないですし、コース自体も(コーナーが多くて)忙しいです」

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