猛省した角田裕毅がホテルにこもって考えたこと「完全にリセットしたかった」同僚リカルドへの対抗心は? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【メキシコの悪夢が思い出させてくれた1点の重み】

 自分の犯したそのミスと向かい合い、何がよくて何がよくなかったのかを客観的に正しく理解できたのは、成長した今年の角田だからこそできたことだ。

 問題は、その反省を改善につなげ、失った信頼を取り戻すことだ。

 レッドブルへの昇格争いを背景にした、チームメイトを強く意識しすぎるがゆえのミスや暴走は、もう許されない。

「ダニエル(・リカルド)は僕よりも多くのファンがいますし、成熟していて信頼を得ているドライバーなので、彼が候補だと言われるのは当然だと思います。僕としては自分のパフォーマンスをコンスタントに見せていくしかないと思いますし、『僕も候補なんだ』ということが誰の目にも明らかになるような結果を出していくしかないと思います。

 彼に勝てないとは思っていませんし、打ち負かす自信がありますし、心配はしていません。いずれにしても、現時点でチェコ(セルジオ・ペレス)が来年の契約を交わしていますし、そこは僕らにはどうすることもできないので、自分たちにできるのは結果を出し続けることだけです」

 第16戦シンガポールGPでのマシン特性改善に続き、第19戦アメリカGPで投入した今年最後のアップグレードはダウンフォースを増やしラップタイムを速くするためのものであり、実際にアルファタウリAT04は見違えるようにパフォーマンスを上げてきている。

 第21戦サンパウロGPの舞台となるインテルラゴスのアウトドローモ・カルロス・パチェは、ストレートと中低速を組み合わせたようなレイアウトであり、AT04はまずまずのパフォーマンスを発揮するのではないかと角田は期待を寄せている。

「エンジニアからの話を聞くかぎりではパフォーマンスはいいと思いますし、いいレース週末にできると思います。ウイリアムズの2台の前でフィニッシュできればと思いますし、ここ数戦のパフォーマンスを見ればそれも現実的な目標だと思います。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る