日産Z「ちょっと次元が違う」速さの理由はタイヤにあり。ミシュランとのコンビでスーパーGT王座も射程距離 (3ページ目)
日産+ミシュランの化学反応
今回、鈴鹿連覇を目指したMOTUL AUTECH Z(ナンバー23)は予選から流れに乗れず、決勝もノーポイントに終わってしまった。だが、3号車は日産Zが持っている能力を存分に発揮。決勝ではトヨタもホンダもまったく歯が立たず、まさに"お手上げ"状態だった。
「2番手から(後半のセーフティカー導入時は)何とか3号車をとらえようと、リスタート後も頑張りましたけど......ちょっと次元が違うなと思いました」(Astemo NSX-GT/ナンバー17@塚越広大)
「正直、Zとミシュランのパフォーマンスがとても速くて、全然届かなかった。特にストレートスピードが速くて、そこに対抗することができなかった」(KeePer TOM'S GR Supra/ナンバー37@サッシャ・フェネストラズ)
しかも、今回の鈴鹿サーキットでのミシュラン快進撃はGT500クラスだけではない。GT300クラスで唯一ミシュランタイヤを使用するStudie BMW M4(ナンバー7)もポールポジションから安定した走りを見せて初優勝を飾ったのだ。冒頭でも触れたとおり、真夏のようなコンディションもミシュラン優勢につながったのかもしれない。
いずれにしても、GT500クラスでは日産Zとミシュランのコンビネーションが勢いづいているのは間違いない。第2戦・富士も大クラッシュさえなければ、3号車が勝っていてもおかしくない速さだった。
今後のスケジュールは、真夏の8月に第4戦・富士(8月6日・7日)、第5戦・鈴鹿(8月27日・28日)が予定されている。今回の優勝で3号車のサクセウスェイトは56kgも課せられるが、灼熱のコンディションとミシュランの相性はよさそうなだけに、上位フィニッシュも不可能ではない。
10年前の2012年、日産がGT500クラスを制した時の情景が重なる。ライバルたちが真夏のコンディションに苦しむなか、重いハンデをもろともせずにミシュランとのコンビで勝利し、日産は年間王者へと突き進んでいった。
今年もその展開を再現できれば、日産陣営、そしてミシュランにとっても7年ぶりのGT500クラス制覇が見えてくる。次の8月シリーズは「日産Z+ミシュラン」のコンビから目が離せない。
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