「5秒速くても抜けない」モナコで起きたフェラーリの誤算。一方ペレスは完璧レースで初戴冠 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

完璧なレースをしたペレス

 フェラーリは自分たちの判断ミスと外的要因によって、勝てたはずのレースを落とした。

「今日の僕らには、勝つためのすべてが揃っていた。第1スティントのペースは強力だったし、僕はすべてをマネージメントして、すべてが非常にうまくいっていたんだ。でも、状況は僕らにとって真逆の方向に進んで、こんな結果になってしまった。

 母国レースだけに、余計に落胆している。つらいよ。でも、起きたことはどうすることもできないし、チームとともに何が起きたのかを分析し、改善し、強くなるしかないんだ」(ルクレール)

レッドブルとフェラーリは対照的な結果となったレッドブルとフェラーリは対照的な結果となったこの記事に関連する写真を見る ルクレールはドライバーとして完璧な仕事をしていた。ビノット代表も、今年のモナコGPはルクレールが勝つはずのレースだったと語った。

「我々は不運だったとは思わない。運・不運で今日の勝利を逃したわけではない。自分たちの判断ミスのせいだ。モナコのようなサーキットでレースをリードしているのなら、そのポジションにとどまり続けるべきなんだ。4位でフィニッシュすることになったのは、我々がミスを犯したことを意味している。つまりこれは運・不運の問題ではない。今日、我々は勝つことができたはずだった」

 逆にレッドブルとペレスは完璧なレースをした。

 いち早くインターミディエイトに換えたことで大きくタイムを稼ぎ、フェラーリの判断ミスとサインツの不運に乗じて首位に立ったあとは、一切ミスのない走りを64周にわたって繰り広げた。アグレッシブな戦略とモナコを知り尽くした完璧なドライビングが勝利を手繰り寄せたのだ。

 隠れたモナコマイスターがついに頭角を現わした。そんな2022年のモナコGPだった。

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