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角田裕毅のスペインGPはベスト内容。予選でガスリーを助け、決勝でアロンソと互角の勝負を演じた (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

レース後の角田は満足げな表情

 金曜のロングランでは、ペースも思わしくなかったが、トラフィックに引っかかって抜けずにいた。その対策という意味もあって、予選に向けて角田はダウンフォースを削り、最高速を伸ばしてきた。

 決勝では、これが功を奏することになる。

 スタート直後の混乱で2台が脱落し、角田は11位に浮上。中団グループ集団のなかでペースを維持し、最後はダニエル・リカルド(マクラーレン)をオーバーテイクすることに成功した。

 早めのピットインでアンダーカットしてきたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)もコース上でオーバーテイクしてポジションを取り戻してみせた。前のランド・ノリス(マクラーレン)よりも速いペースでじわじわとギャップを縮める強さも見せた。

 しかし、第3スティントで履いたソフトタイヤがなかなかグリップを発揮せず、先にピットインしていたアロンソに再逆転を許してしまい、角田はその点を悔やんだ。それでも10位のポジションを堅実に守って、貴重なポイントを持ち帰った。

「第3スティントのウォームアップがよくなかったので、それでアロンソに前に行かれてしまったのがターニングポイントでした。それがなぜだったのかを突き詰めたいです。あそこで抑えきれれば、最後までアロンソの前で行けたかもしれないですね」

 それでもレースを終えた角田は満足げな表情だった。

 苦しいレース週末のなかで、ドライバーとしてもチームとしてもやれるだけのことをやりきり、マシンのポテンシャルから言って最大限の結果を手にすることができた。アロンソを抑えきれた可能性もあったが、もともとアロンソは予選でトラフィックに捕まって後方スタートになっただけで、アルピーヌの実力がアルファタウリやマクラーレンよりも上だったことはエステバン・オコンの速さを見れば明らかだった。

 最終結果はライバルたちとの相対的な位置関係で決まるが、ライバルたちの速さはどうすることもできない。現状のマシンパッケージを物理的に変えることもできない。どうにかできるのは自分たちのパフォーマンスだけであり、目の前にあるマシンから最大限に性能を引き出すことしかできない。

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