今季F1フェルスタッペンの対抗馬は? フェラーリの下馬評高く、メルセデスAMGはトップ脱落か (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 今年はまさに「抜きつ抜かれつ」のバトルが見られそうだ。

 つまり、一度抜いたらそれでオーバーテイク完了というわけではなく、その後に抜き返されないような駆け引きが必要で、バトルの仕方もこれまでとは少し違ってくるだろう。そのあたりのドライバーたちの工夫も見どころになる。

(3)「フェルスタッペンvs.ハミルトン」ドライバーズチャンピオンの行方は?

 ドライバーズチャンピオンの最有力候補が、昨シーズン異次元の戦いを繰り広げたマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンであることは間違いない。ドライバーの腕という点でも、長いシーズンを高いレベルで戦い続けるという点においても、抜きん出た力を持っているのがこのふたりだからだ。

 もちろん、レッドブルの同僚セルジオ・ペレスも今季は加入2年目で、チームとの親和性も向上している。オーバーステア傾向がひどくない2022年型マシンなら、彼の実力もしっかりと発揮できるはず。

 一方、メルセデスAMGも若手ジョージ・ラッセルの躍進に期待がかかる。開幕時点ではトップ争いに加わることはできないかもしれないが、ポーパシングが発生していないコーナーでの車速は高く、いずれこの問題も解決して実力を発揮してくるだろう。

 メルセデスAMGはシーズン序盤に勝てないなかでも、ダメージを最小限にとどめることができれば、シーズン中盤戦以降のタイトル争いに入ってくることも可能だ。

 対してフェラーリは、今季躍進する期待が高い。マシンの出来によっては、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツがタイトル争いに加わってくるかもしれない。

 ただし、ルクレールは2019年以降の勝利がなく、サインツも未勝利で、勝ち方を知っているドライバーもいなければ、タイトル争いの経験もない。それは現在のチーム主要メンバーにも言えることで、マシンの性能向上とともに争う位置が変わってくればレースの戦い方も違ってくる。そこにチームとドライバーがいかに素早く適応できるかが勝負になるだろう。

 総じて言えば、現段階ではカーナンバー1をつけたフェルスタッペンが最もチャンピオンに近い位置にいるように見える。しかし、そのリードはあっという間になくなり逆転され得るのが2022年シーズンであることは、レッドブルとフェルスタッペン自身が最もよくわかっているはずだ。

(中編につづく)

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