今季F1フェルスタッペンの対抗馬は? フェラーリの下馬評高く、メルセデスAMGはトップ脱落か (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 テスト最終日の最後に見せたマックス・フェルスタッペン渾身のアタックが昨年の2.7秒落ちということからも、マシン側ではまだまだマージンを残して走っていることは間違いなさそうだ。逆にマクラーレンのように、トラブルに見舞われて十分なテストが完了できていないチームもあり、彼らは開幕戦の金曜フリー走行でやらなければならない作業がまだまだあるだろう。

「フタを開けてみるまでわからない」というのが開幕前の常套句だが、例年ならばテスト内容からある程度の予想はできる。しかし2022年の勢力図は、本当にフタを開けてみるまではまったくわからない。バーレーンGPの予選が始まってみなければ、真の勢力図はわからないと言える。

(2)グラウンドエフェクトカー導入で超接近戦が増加?

 2022年に導入されたグラウンドエフェクトカーは、前走車から受ける乱気流が少なく、さらに前後ウイングよりも乱流の影響を受けにくいフロア下でダウンフォースを生み出すため、接近戦が可能だ。さらにタイヤも2022年は、多少のスライドではオーバーヒートしづらく、多少の温度上昇ではグリップを失わないように設計されている。

 テストでも時折、その影響を確認するように2ワイド(2台並走)や3ワイドで走るドライバーたちが見られた。実際に乱流によるダウンフォースロスや突然のスライドは少なくなっているという。そしてサイドウォールが短いタイヤゆえに、滑り出しても急激にスナップせず、ドライバーがステアリング修正で対処することも可能だ。

 もともとが空気抵抗の少ないマシンだけにスリップストリーム効果の減少が懸念されたが、バーレーン合同テストを見るかぎりではメインストレートやターン4でのDRS(※)を使ったオーバーテイクも可能だ。一度抜かれても前走車についていけるため、次のDRS区間で抜き返すといった場面も見られた。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

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