アレジの息子、ジュリアーノは1年間で日本語ペラペラ。今季はスーパーGTチャンピオンマシンで王座を狙う (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

来日して一番衝撃だったこと

 さっそく、ジュリアーノに日本でのデビューイヤー(2021年)を振り返ってもらった。すると、かなりの手応えを感じている様子だった。

「最初、ヨーロッパから来た時に大切だなと思ったのは、"経験"だと思っていました。レースに対するいろいろなやり方がジャパニーズスタイルというか、ヨーロッパと違うところがあるから。それを学ぶことが大切だと思っていました。

 それでスーパーフォーミュラ・ライツだったり、スーパーGTのGT300で走る経験を積むことができ、スーパーフォーミュラにスポット参戦したり、スーパー耐久の富士24時間レースにも参戦して、いろいろな経験を積むことができた。ドライビングスキルもステップアップすることができたから、すごくいいシーズンを過ごすことができたと思います。

 今年はスーパーフォーミュラにフル参戦し、スーパーGTでもGT500にステップアップしますが、昨年のうちに各サーキットも走り込めてコースの細かな部分も覚えることができたから、問題はないと思っています。でも、まだ勉強しなきゃいけないところはあるから、今年もそこに集中していきたいです」

 これまでジュリアーノはF1直下のカテゴリーであるF2など、ヨーロッパを舞台にしたレースで育ってきた。だが、日本のレース文化の違いや難しさも肌で感じた1年だったという。

「(日本とヨーロッパは)全部違うと思います。レギュレーションも少し違うし、やり方もけっこう変わると感じています。でも、日本に来て一番いい意味で衝撃だったのが、周りに対してのリスペクト(敬意)があるなと思いました。

 コース上でもそうだし、特にパドック内のチーム間でもそう。ほかのメーカーに対しても、ヨーロッパと比べてリスペクトがすごくあるなと思いました。

 あと、昨年はコミュニケーションが難しかったです。もともと日本語のベースはあったけど、(スタッフたちとやり取りをしていて)いつも十分ではないなと思っていました。最初と比べると少しずつよくなってきたけど、今でも難しいなと思っています」

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