参戦5年目、レッドブル・ホンダ誕生。トップの座を奪った瞬間、大観衆は地鳴りのような歓声を上げた (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【トロロッソには感謝しきれない】

 それだけでなく、田辺も、浅木も、そしてF1プロジェクトのマネージングディレクターを務めてきた山本雅史も、口を揃えて述べたのが、トロロッソへの感謝の言葉だった。

 絶望的な2017年の状況からホンダを救い、そして2018年のスペック3投入で「出したことのない馬力を出すと壊れたことのない物が壊れたりして、それを苦労して直しながら今年のスペック3まで進化させてきた」と、トロロッソの協力と献身なくしてはホンダの飛躍はなかったと浅木開発責任者は振り返った。

「トロロッソが我々を信じてくれて一緒にやってきて、非常にいい関係で戦ってくることができました。それがレッドブルとタッグを組む道筋を作ってくれたと思いますし、彼らが最初に信じてくれたことでホンダのこの初優勝があるのだと思います。トロロッソには感謝してもしきれないと思っています」(田辺テクニカルディレクター)

 その恩返しとばかりに、続く第11戦ドイツGPではダニール・クビアトが3位表彰台、そして第20戦ブラジルGPではピエール・ガスリーが2位表彰台と、トロロッソにとってもコンストラクターズ選手権6位と大きく飛躍の1年となった。

 ホンダとレッドブル、トロロッソの躍進は著しく、その先には明るい未来が待っていると誰もが信じて疑わなかった。

(第7回につづく)

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