ホンダF1を救ったトロロッソとの相思相愛。取り戻したプライド (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 保留となっていた2018年型トロロッソSTR13のマシン前半部分の開発は、シーズン中も意欲的に進められた。トロロッソは、途中で開発が停滞して順位が下がっていくそれまでのシーズンとは見違えるような活躍を終盤まで見せた。

 そしてホンダも、シーズン終盤戦には"スペック3"と呼ばれる改良型へと進化。これが2020年末まで戦う燃焼コンセプトとなった。ホンダが進化するために、トロロッソはグリッド降格ペナルティを受け入れて導入し、翌年に向けた実戦テストの役割を担った。

 まさに二人三脚、相思相愛の関係が、ホンダに自信を取り戻させ、未来をくれた。

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 ホンダにとって「2018年」は大きなターニングポイントとなり、その後のレッドブルとのF1の頂点を争う舞台へとつながる重要なシーズンとなった。F1参戦最後のシーズンである2021年を迎えることができたのも、そしておそらくは最後のシーズンにチャンピオンを争うことができるのも、すべてはこのトロロッソと過ごした2018年があったからにほかならない。

 ホンダのF1活動がどのような結末を迎えようとも、その事実は永遠に変わることはないのだ。

(おわり)

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