麗しき女性レーシングドライバー猪爪杏奈の挑戦。いばらの道を楽しむ
速く、美しく、挑戦し続ける女性ドライバーたち
第5回 猪爪杏奈
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20歳からレースの道に飛び込んだ猪爪杏奈近年、世界のモータースポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)や自動車メーカーが若手女性ドライバーの育成・発掘に力を入れ始めた。いまだ男性中心の競技ではあるが、サーキットレース、ラリー、ドリフトなどで活躍する女性ドライバーは増加傾向だ。そこで、国内外のさまざまなカテゴリーで挑戦を続ける日本の女性ドライバーにインタビューした。
第5回は、レーシングドライバーの猪爪杏奈。今季はスーパー耐久シリーズと競争女子選手権(KYOJO CUP)でチャンピオンを狙う25歳で、全日本ジムカーナ・チャンピオンを父に持つ。日本女子体育大学に進学し、体育教師を目指していた彼女がレースデビューしたのは20歳だった。一般的には遅いスタートだが、そこから着実にステップを重ね、大きな注目を集める存在となっている。取材時には「(撮影のために)洋服を新調して、ネイルもしてきました」と可愛らしい一面も見せる猪爪に、レースへの思いをたっぷりと聞いた。
最近、発覚したのですが、私がもし男の子だったら、父は(子どもの頃から)レースをやらせようとしていたみたいなんです。女の子だったので、3歳からピアノをやらせてもらって、大会やコンクールによく出場していました。一時は音楽大学に進み、ピアニストになることを目指していました。でも、ピアノの前にじっと座って練習するのが苦手でした。
活発で負けず嫌いで、小さい頃から男勝りというか、ガキ大将という感じでした(笑)。小学生の時にバレーボールに出合って、ピアノからスポーツの道へ進みたいと考えるようになりました。日本女子体育大学に入り、体育の先生になってバレー部の顧問をしたいと思って、教職課程を履修していました。
毎日、大学に通って友達と遊んで、アルバイトをするという生活は、それはそれで幸せでした。このまま教師になって結婚して......とも思っていたのですが、心のどこかで「つまらない」と感じている自分がいました。そんな時、偶然レースと出合い、レーシングドライバーの道への方向転換を決意しました。
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