日産GT-R、最後尾から奇跡の大逆転。優勝できた3つの要因とは (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「何よりよかったのは、(松田)次生の身体に問題がなかったことです。医師団の方々が、その後の検査の手配まで整えてくれました。そこで問題ないことが確認できたので、我々も安心して次生に対して『レースに集中しろ!』と言うことができました」

 クラッシュから見事に立ち直った松田は、決勝レースで見事な走りを披露した。

「予選からクルマの調子がよかったので、この鈴鹿では久々に行けると実感していました。しかし、予選では自信があり過ぎたせいもあって......。だから決勝は、なんとか結果でみんなに感謝を伝えたかったです」(松田)

 予選での悪い流れをチーム全体で払拭し、決勝にリフレッシュした形で臨めたのが、奇跡の逆転劇を呼び起こす最初の一歩だったのだろう。

 この優勝により、松田/クインタレッリ組は45ポイントでランキング3位に浮上。トップに対してわずか2ポイント差に迫り、チャンピオン獲得の可能性も大きくなった。

 6戦を終えて、トヨタ、ホンダ、日産が2勝ずつ。トップ5台が2ポイント以内にひしめく接戦となっている。2020シーズンも、残るは2戦。いったい誰が、どのメーカーが今季の栄冠を勝ち取るのか、ますます目が離せない。

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