ホンダのF1撤退は志半ばなのか。株価上昇が物語る現実と未来への不安 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

 さらにその延長線上には、ホンダのF1パワーユニットに関する知的財産や物的・人的リソースを白紙にしてしまうのではなく、第三者に継承してF1活動を継続するという道も有り得る。

 FIA F2まで支援してきた角田裕毅へのバックアップも来年はまだ継続するし、すでにレッドブルジュニアドライバーとしてかなりの好条件で契約を交わすなど、ホンダとしても今後に向けてきちんとしたレールを敷いているという。

 2018年のトロロッソによる4位獲得や、2019年のレッドブルとともに挙げた初優勝、ルイス・ハミルトンに打ち勝って得たブラジルGPのダブル表彰台、そして今季も絶望的な状況下での70周年記念GP優勝や、ピエール・ガスリーによるイタリアGP奇跡の優勝......。

 これまでホンダが与えてくれた感動や興奮や勇気は変わらない。そしてきっと、残された1年と2カ月で、ホンダはさらなる感動を与えてくれる。

 真のF1ファン、真のホンダファンなら、怒りをぶつけるよりもホンダが与えてくれたものに感謝するとともに、彼らの残された挑戦を全力で応援すべきなのではないかと思う。そしてそれこそが、ホンダのDNAを捨てた人たちへの最大級の反旗になるのだと思う。

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