レッドブル・ホンダ、いざ反撃へ。予選モード禁止の流れは吉と出るか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

「先週はいいレースができたと思っていますが、メルセデスAMGの速さの絶対値、素の速さも見えていますので、今回、サーキットが変わってどう戦っていくかが課題になると思います。バルセロナでは2月のテストで6日間走っていますが、今回はスペインの真夏の陽射しの強さを痛感しました。天気予報も今週末はずっと安定していて、暑い日が続く見込みになっています」

 暑くなれば、パワーユニットの冷却が懸念される。だが、シルバーストンでの2連戦のデータを見るかぎり、熱の問題はないとレッドブル・ホンダは断言する。

 また、一部では次戦ベルギーGPから予選モード禁止をFIAが検討していると言われている。しかし現時点では、パワーユニットマニュファクチャラーのなかで具体的な話にはなっていないという。

「噂は聞いていますけど、私はまだ聞いていません。相当昔にそんな話はあったのかもしれませんが、現状の2021年〜2026年のレギュレーションを話し合うなかで、そんな話はまったく出ていませんね」(ホンダ・田辺テクニカルディレクター)

 現状、メルセデスAMGは強力な予選モードを持っているため、通常の予選モードで0.2〜0.3秒だったレッドブル・ホンダとの差は、第2段階の予選モードで1秒にまで広げることができる。

 しかし、パワーユニットにダメージをかけながらパワーを絞り出していく予選モードが禁止されれば、その分の"寿命"をレース全体でまんべんなく使うことになる。結果、メルセデスAMGはレースモード全体で大きく底上げができることにもなるかもしれない。

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 レッドブル・ホンダが予選で大きな差をつけられるのは、車体側にも問題がありそうだ。ワークスのメルセデスAMGのような強力な予選モードを使っていないカスタマーチームのレーシングポイントや、他社製パワーユニットのマシンと比べても、レッドブル・ホンダの予選パフォーマンスは低い。

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