セナとも仲良くやった人徳者ベルガー。今やモータースポーツ界の重鎮

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ベルガーはDTMの代表として記者会見に応じたが、各国の記者から「DTMは将来、ハイブリッドカーや電気自動車になっていくのか?」という質問を何度かぶつけられていた。すると彼は「マシンが速くて、エキサイティングなレースをファンの前で見せられれば、電気自動車でもハイブリッドカーでも何でもいいんだよ。でも現状では難しいと思うけど」と元ドライバーとしての本音を話していたが、すぐに笑顔で「私はそう考えているけど、参戦する自動車メーカーの意向もしっかりと組み取らないとね」とメしっかりとフォローする姿があった。

スーパーGTとDTMの交流戦の会見で握手するベルガー(写真右)とスーパーGT運営団体GTAの坂東正明代表スーパーGTとDTMの交流戦の会見で握手するベルガー(写真右)とスーパーGT運営団体GTAの坂東正明代表 情に厚く、誰とでも気さくに話し、自分のことだけでなく周りのことも考えられる......。このエゴイストになり切れない性格が、現役時代のベルガーにとってはF1でタイトルに手が届かなかった一つの原因になったのかもしれない。しかし、ドライバー引退後はそんな性格ゆえに周囲から絶大な信頼を集め、モータースポーツの世界で要職を任されているのだ。

【profile】ゲルハルト・ベルガー Gerhard Berger
1959年8月27日、オーストリア生まれ。入門用フォーミュラカーレースでの走りを同郷の先輩で、現在レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコに評価され、ヨーロッパのF3に参戦。その後、順調にステップアップを重ねる。BMWのサポートを受け、84年に25歳でATSからF1デビュー。アロウズ、ベネトン、フェラーリ、マクラーレンで活躍し、97年シーズン限りで引退。BMWやトロロッソで要職を務めた後、一時家業の運送業に携わっていたが、2017年からDTMの代表を務めている。

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