2020.04.29
シャイなアロンソは日本の心も持つ。
純粋な輝きを、もう一度見たい

- 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
- 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)
そして10月にはセバスチャン・ベッテルが電撃的にフェラーリとの契約を決め、アロンソはベッテルが交渉していたマクラーレンと契約し、マクラーレン・ホンダで再起を誓うことになった。
「僕はフェラーリに5年間いて、あと2年の契約を残していた。だから、フェラーリにいようと思えば、残ることだってできた。でも、僕はホンダが復帰すると知って、もう一度タイトルを獲るチャンスだと思ったんだ。
フェラーリでは5年間で、3度もランキング2位に終わった。だから、もう一度チャンピオンになれる可能性があるとしたら、ホンダとともに戦うしかないと思ったんだ。
僕が子どもの頃から、マクラーレン・ホンダは父の夢であり、家族の夢だった。今33歳になって、このマクラーレン・ホンダの復活に加わらない理由はないと思ったよ」
その言葉に、嘘偽りはなかったと思う。
初めてのテストを終えたこの時点ですでに、マクラーレン・ホンダの船出が厳しいものになることは明白だった。アロンソ自身もそのことをはっきりと言及し、ともに努力していくつもりだと語っていた。