歓喜の抱擁。日産勢が苦戦続きのスーパーGTで一矢を報いた! (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「スーパーGTは、世界のなかで最もレベルの高いシリーズ。だから、ここに戻りたいとずっと思っていた。帰ってくることができてうれしいし、日産ファミリーの一員になれて光栄だ。だから、みんなで力を合わせて今シーズン1勝したい」(マコヴィッキィ)

 第7戦はスタートから雨模様の難しい展開となったが、このSUGOで2勝の実績を持つ平手の経験と、ミシュランタイヤをよく知るマコヴィッキィの的確なドライビングがハマった。日産とミシュランで開発を続けてきたウェットタイヤもこのコンディションで見事に機能し、レース後半にはトップに浮上。その後もペースを緩めることなく、2番手以下に20秒近い大差をつけてチェッカーフラッグを受けた。

「すごくうれしいです。ここ2、3戦は結果に結びつけられない悔しいレースが続いて、気持ち的にも苦しかった。だけど、ニスモやミシュラン、チームのみんなが一生懸命になっていたので、表彰台には乗りたいなと思っていたら、こういうすばらしい結果になりました。関係者のみなさんに感謝です」(平手)

「今回は細かいところまで完璧だった。もともと僕たちのクルマは雨が得意なので、自分たちの実力をすべて出し切ることができ、こうして優勝することができて本当によかった」(マコヴィッキィ)

 レース後、マシンを降りたマコヴィッキィに平手が全力で駆け寄って抱き合った。「新チームで結果を残したい」というふたりの思いが叶い、心の底から喜んでいる様子が印象的だった。

 ちなみに他の日産勢では、松田とクインタレッリの23号車が3位表彰台を獲得し、最終戦・もてぎでの逆転チャンピオンに望みをつなげた。23号車はもてぎのコースを大得意としているだけに、最後の最後で王座を奪還する可能性もある。

 いずれにしても、開幕戦から速さは見せながらも結果につなげられず、流れのよくなかった日産勢がシーズン終盤で一矢を報いた。はたして最終戦、日産勢は意地の2連勝を成し遂げられるか。

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