レッドブル・ホンダに謎のグリップ不足。フェルスタッペンは最低と吐露 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「マシンバランスは悪くないんだ。でも、いくつかのコーナーでグリップが十分じゃなかった。なぜそうなるのか、説明ができない。ドライビングしていてこのクルマにはもっとポテンシャルがあると感じられるのに、それを使うことができないという状況だ。とにかく、4つのタイヤにしっかりとグリップを感じることができていない」(フェルスタッペン)

 チームメイトのアレクサンダー・アルボンも、「マシンが少し自分自身から離れていってしまうような感じだった」と説明した。アルボンの場合は、金曜のクラッシュでフロントウイングを壊し、オーストリアGPから使ってきた新型ではなく旧型での走行を強いられたことも、またさらにタイムに影響を及ぼしてしまった。

 決勝では予想以上にタイヤの性能低下が早く、フェルスタッペンは他車に先駆けて19周目にピットイン。結果的にこれが功を奏し、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンを逆転して3位でフィニッシュすることに成功した。

 しかし、レース終盤はハミルトンから厳しいプレッシャーを受け、マシンパッケージとして負けていたことは明らかだった。

「彼はかなり激しくプッシュしてきたよ。残り7周の段階ではまだ何も問題はなかったけど、残り4周を切ったあたりから彼が一気にギャップを縮めてきて、いくつかある決定的なコーナー、つまり彼のほうが速いと思われるコーナーの出口ではミスをしないよう、細心の注意を払って走らなければならなかった。ピットで見ているチームのみんなもドキドキしたと思うけど、僕はとにかくコーナーの出口を綺麗に立ち上がることだけに全精力を注いでいたんだ」

 好バトルの末に実力で上回る相手を抑え切って表彰台を手にしたのだから、本来ならば笑顔に包まれてもおかしくない結果だ。しかし、レッドブル・ホンダは勝つべくしてここにやって来ていただけに、完敗と言えるこの結果に、落胆のほうが大きかった。

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