挑戦してわかった。スーパーカブで
時速200km出すのは超タイヘン

  • text by Sportiva
  • photo by SMC

 日本が誇るベストセラーの傑作バイク、ホンダ・スーパーカブのエンジンはどこまでスピードを伸ばせるのか──。

 "世界最速の原チャリ"を目指して、日本の"ものづくり"を担う企業の協力のもと2輪のスピード記録に挑むプロジェクト、「SUPER MINIMUM CHALLENGE(スーパー・ミニマム・チャレンジ、以下SMC)」。時間との戦いのなか不眠不休で進められた準備の様子を夏にレポートしたが、ギリギリでなんとか出場にこぎつけた競技会「ボンネビル・モーターサイクルスピードトライアルズ」(8月25日〜29日、アメリカ・ユタ州)では、以下のような結果となった。

◆平均最高速度 153.73km/h  瞬間最高速度 165.30km/h
(1マイル=約1.6kmの平均速度を最高速度として公認)
◆マシン NSX-01(125cc)
◆ライダー 近兼拓史(ちかかね たくし)

ボンネビルの塩湖を疾走するNSX-01ボンネビルの塩湖を疾走するNSX-01

 50ccのイメージが強い"原チャリ"なのに、なぜ125ccエンジンで挑んだのか。たしかに125ccも「原付2種」ではあるが、それ以上に大きな理由は、このプロジェクトが2年がかりで取り組む計画になったことにある。より精密な技術が要求される50ccでの記録に2019年大会で挑戦するため、2018年は比較的信頼性の高い125ccのマシンを使用して、このチャレンジに必要なあらゆるデータを集めることになったのだ。

 では、参戦初年度で見えてきた課題はどのようなものだったか? 2019年の大会で"世界最速"の達成に勝算はあるのか? SMCプロジェクトの代表で、ライダーも務めた近兼拓史氏に聞いてみた。

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