2018年のF1振り返り。ホンダの出来は予想以上だったのか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 結果的には、その予想以上の関係強化が進み、フィアットからの資金投入とフェラーリのチーフデザイナーをザウバーのテクニカルディレクターに据えて人員補強も進めるなど、ザウバーのBチーム化はシーズンが進むにつれて一層強まっていった。見た目にはっきりとわかるほど、マシンも毎戦のように開発パーツが投入されて進化していった。

 コンストラクターズランキングこそ8位という結果に終わったが、とくにフェラーリとの提携が強化されていったシーズン中盤戦以降のザウバーは、常に中団グループの上位につけていた。後半戦はロシアとブラジルで中団グループ最上位の速さと結果を手にして、トロロッソ・ホンダを上回った。

 直線主体のサーキットが得意という傾向はあるが、フェラーリとの提携下でイチからマシンが開発された2019年はさらなる飛躍を遂げそうな予感がする。そんな期待を感じさせるに十分な2018年のアルファロメオ・ザウバーだった。

(7)HALO導入で「美しいF1マシン」はおしまい? → 【結果】○

 2018年シーズン開幕当初は、その美醜が盛んに議論された頭部保護デバイス「HALO(ヘイロー)」。だが、いざシーズンが始まってみればすぐに見慣れるだろうという予想どおり、そのルックスをあれこれ言う声は早い段階でかなり減った。個人的にも、すでにHALOがないマシンのほうが違和感を覚えるほどだ。

 その一方で、ベルギーGPスタート直後の多重クラッシュではルクレールのマシンにフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)のマシンが乗り上げ、HALOがなければルクレールは頭部に重大なダメージを受けていたはずだという検証結果も出た。

 スペインGPでも、FIA F2で牧野任祐(まきの・ただすけ)と福住仁嶺(ふくずみ・にれい)がクラッシュした際には、HALOにタイヤ痕がハッキリと残っており、ドライバーたちからはHALOの存在を歓迎する声が次々と聞かれた。

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