2018.12.31

日本はF1への新登竜門。
レッドブルが育成ドライバー2名を送り込む

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 レッドブルはいまや、F1界に欠かせない名門チームのひとつである。ただし彼らの活躍の場は、F1を中心とするヨーロッパの主要レースだけではない。近年、日本最高峰のフォーミュラカーレース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」にも進出し始めているのだ。

マカオグランプリを2年連続で制したダニエル・ティクトゥム レッドブルがスーパーフォーミュラに注目し始めたのは、2017年のこと。現在F1で活躍中のピエール・ガスリーがフル参戦を決めたからだ。前年にGP2シリーズ(現FIA F2)でチャンピオンを獲得したガスリーだが、残念ながらF1にステップアップすることができず、日本にやってきた。

 その前年(2016年)にも同じくGP2王者のストフェル・バンドーンがフル参戦したことで、ヨーロッパでもスーパーフォーミュラの存在は徐々に話題になっていた。そんな背景もあり、参戦を決意したガスリーはシーズン序盤こそ苦しんだものの、第4戦・もてぎと第5戦・オートポリスで2連勝。台風の影響で最終戦・鈴鹿がキャンセルとなり、チャンピオンの可能性は絶たれてしまったが、ランキング2位という堂々たる結果でシーズンを終えた。

 シーズンを終えた後、ガスリーは日本で戦った1年間で得られたものを、このように語っていた。

「スーパーフォーミュラはテストがほとんどなく、予選までに走れる時間も少ない。短時間でコースを覚えて、レースで戦えるようにしないといけないんだ。それが結果的に、自分のスキルを上げるキッカケとなった。最高の結果(チャンピオン獲得)は残せなかったけど、いい経験ができた。ヨーロッパにいる若いドライバーたちにも、ぜひ勧めたい」

 もともと高い能力を持っていたガスリーだが、スーパーフォーミュラを経験したことで、速さと強さに磨きがかかった。そんな彼の成長を見逃さなかったのが、レッドブル・ジュニアチームだ。

 2011年、レッドブルは未来のF1チャンピオンを育成するべく、「レッドブル・ジュニアチーム」を設立。これまで数多くの優秀なドライバーを輩出してきた。F1王者に4度輝いているセバスチャン・ベッテルや、史上最年少優勝記録を持つマックス・フェルスタッペンなどが出身者だ。