レッドブル・ホンダは2019年にメルセデスとフェラーリを追い越せるのか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レッドブルとホンダの関係は、マクラーレン時代のそれとはまったく異なるものだと、田辺豊治テクニカルディレクターは語る。

「実際のパワーユニット搭載に向けてインストレーションミーティングをやっていますが、『こうできたらいいな』という言い方から、『こうしたい。なぜなら、こうだから』という言い方になってきています。ただし、『こうしてくれなきゃ困る』という言い方はしないし、そういう付き合い方にはなっていません。

『こうしたいんだけど?』『どうして?』『理由はこう。じゃあパワーユニット側はどうしたいの? どうしたいのか明確に言ってくれ』というような関係で進んでいるので、『ここに入れろ』『この仕様で作ってこい』みたいな無理強いは一切ありません」

 レッドブルとホンダの関係は、ひと言で言えるほどシンプルなものではない。2者の関係ではなく、実際には2組に分けられる「4者の関係」だからだ。

「レッドブルとトロロッソ」が「レッドブルテクノロジー」を通じて共通認識でホンダに接し、ホンダ側も「HRD Sakura」と「HRD MK(ミルトンキーンズ)」が共通認識を持ってレッドブル側に接する。レッドブルとホンダのコミュニケーションだけでなく、レッドブルとホンダのそれぞれの内部でのコミュニケーションも重要になる。その見直しも、しっかりと進めている。

「HRD SakuraとHRD MKのコミュニケーションも見直していく必要があると思っています。我々ホンダとしては、彼らにどうしてほしいのか、何をホンダに求めているのか。

 レッドブルとトロロッソとホンダというだけでなく、彼らとHRD Sakura、彼らとHRD MKと、コミュニケーションも多岐にわたってきます。レッドブルとトロロッソのコミュニケーション、ホンダのHRD SakuraとHRD MKのコミュニケーションもきちんと整理されてひとつになっていなければいけないので、もう一度あらためて考え直そうということです」(田辺テクニカルディレクター)

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