2018.12.12

「第5期」F1ホンダを考察。パワーは
ルノーを抜いた。しかし信頼性は?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

F1ホンダ2018年シーズン総括@性能編

 ホンダは2015年のF1復帰からずっと苦戦を強いられてきたが、大幅に体制を刷新し、「第5期」とも言うべき姿勢で2018年シーズンに臨んだ。

 この1年でホンダはどのように変貌を遂げたのか。性能面、体制面、そして将来性という視点で、あらためて今シーズンを振り返ってみたいと思う。

トロロッソとコンビを組んで2018年を戦った「第5期」ホンダ まず、ホンダは2018年のシーズン開幕に際し、これまでのような轍(てつ)は踏まないことを肝に銘じ、信頼性を第一に開幕仕様の「RA618Hスペック1」を仕上げてきた。これは、昨年の最終仕様をベースに信頼性を向上させたもので、性能よりも信頼性に振った仕様ということだった。

 それは、実戦でのつまずきもさることながら、新たにタッグを組むトロロッソとの出発点となる開幕前テストでしっかりと走り込み、計画を遅らせることなく、開幕に向けた準備を確実に進めることが最優先と考えたからだ。

 その狙いは当たり、開幕戦には間に合わなかった対策型MGU-H(※)を投入した第2戦・バーレーンGPでは、中団グループトップの4位を快走した。そして、その後も大きなトラブルに直面することなく走り続けた。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 第7戦・カナダGPではスペック2を投入し、ここで初めて性能を向上させてきた。ようやくルノーに並び、トロロッソだけでなくレッドブルからも高い評価を得た。何よりも大きかったのは、計画どおりの進歩を果たしたことだ。

 ここでホンダはより大きな前進を果たすため、夏休み明けに投入を予定していたスペック3の開発を一旦白紙に戻し、小さな開発アイテムは捨て、大きな開発アイテムに専念する決断を下した。これは2019年に向けた開発であり、2018年内の投入はしない予定だったとホンダ関係者は明かす。

 しかし、シーズン終盤戦を前に、ホンダはスペック3を完成させて実戦投入に踏み切った。2019年型のベースとなる開発アイテムをここで実際に走らせ、来季型の実戦テストとするためだ。