スペック3と新型空力パーツの初コンビ。トロロッソは今年最高の状態だ (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 しかし、シーズン後半戦に入ってからのトロロッソ・ホンダはセットアップの見直しによって、マシンパッケージから最大限のポテンシャルを引き出せるようになった。さらに終盤戦には、パワーユニットと車体の両面でアップデートが進んで、戦闘力をさらに強化してきた。

 トロロッソ・ホンダとしては、第16戦・ロシアGPでスペック3パワーユニットを投入して以降、この2戦の"最終決戦"に向けて土台固めをしてきた。鈴鹿で未成熟なまま使ったスペック3は予想外のダメージを受け、続くアメリカGPで新品を投入し直してペナルティを消化し、もともとスペック2を使う予定だったメキシコGPを越えて、この第20戦・ブラジルGPに向けて体制を整えてきた。

 依然としてスペック3の耐久性には不十分なところがあるため、このブラジルでも金曜は古いスペック2を使い、予選・決勝でスペック3をフルに使えるようにする。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう説明する。

「(スペック3が)すぐに壊れる懸念があるというわけではないのですが、スペック3の美味しいところをこの2レースで最大限に使い切り、予選・決勝で最高のパフォーマンスを発揮するための方策です。最後の2戦に向けてこれが最善の方法だということで、アメリカGPとメキシコGPでペナルティを受けてもらい、残り2戦はドライバーたちに我々のパワーユニットを最高のパフォーマンスで使ってもらうためにそうしてきたわけで、それをきちんとやり通しましょうということです」

 スペック2に比べて大幅にパワーアップしているスペック3を再び使えることに加えて、アメリカGPとメキシコGPで一定の効果が確認できた新型空力パッケージが、このブラジルGPでは2台ともに投入される。

 メキシコで実戦使用したブレンドン・ハートレイは、このパーツによってマシンの過敏さが消え、常に限界点でドライブしやすくなったと高く評価した。

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