ベッテルは今年もタイトル遠し...。原因はまたもフェラーリのお家騒動か (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「もし最後に5ポイント差でタイトルを逃したら、私は、タイトルよりも目の前のバルテリの結果を優先した地球で一番の大馬鹿者になるだろう。

 2007年、残り2戦の時点で、ルイスは今のポイント制に換算して45ポイントのリードを持っていたんだ。しかし、彼はタイトルを逃した。2戦で45点を逆転されることなど、誰が想像する? あり得ないと思うだろう。しかし、レースは日曜の結果で決まる。必ずしも最速のクルマが勝つとは限らない。

 今年の中盤戦もそうだった。我々は決して最速ではなかったが、それでも何勝も勝利を手にしたんだ。リードなど一瞬にして消える。外から見ればそんな風には見えないだろうけど、我々はそれがモータースポーツの恐ろしさだと思っている。何が起きてもおかしくない世界なんだ。だから、我々は手綱を緩めないんだ」

 今のメルセデスAMGとハミルトンに、連覇へ向けた綻(ほころ)びはない。ハミルトンが言うように、今シーズンのターニングポイントは、とうの昔に通り過ぎてしまっていたのだ。

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