佐藤琢磨、やっと今季初の表彰台。チームの作戦が足を引っ張り気味... (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ピゴットは2016年ミッド・オハイオにおける7位を超える、キャリア初めての表彰台。「今日はトラフィックをうまくクリアできたし、スティントを重ねるごとに強くなるレースを戦えた。多くの接近戦を楽しむここともできた」と、喜んだ。

 琢磨の3位も棚ぼたともいえるが、レースを通してのスピードを考えれば2位でフィニッシュしていた可能性は高く、優勝さえ狙える走りになっていた。

 最後のピットストップを、ピゴットより4周、ヒンチクリフより3周、ニューガーデンとウィッケンズより2周遅くした作戦は失敗で、摩耗したタイヤでの周回数が増えたことでタイムロスしていた。ピット作業を終えてコースに戻ると、トップから5番手に後退し、4番手のウィッケンズに3秒も離されていた。その後、琢磨の前のポジションはピゴットに代わり、その背後へとグングン迫っていたところでカーペンターのスピンが起きたというわけだ。

「正直言って、表彰台までは期待していなかったですよね。レースに参加する以上、常に勝利は意識するし、トップは目指すけれども、現実的に考えてジュニア・フォーミュラでもあるまいし、これだけのトップ・フォーミュラではあまり奇跡というものは起こらない。

 ただ、昨日の夜、実は僕たちは結構いろいろとやった。何度もガレージに出ていって、いろいろな車を見て、ロールセンター(車がロールする際の中心)など、取れる情報は全部取って、自分たちと速いクルマのセッティングを見比べたんです。そうして施したセッティング変更が正しかったから、スティント後半に速いマシンにできた。多くのドライバーたちとサイドバイサイドで戦い、タイヤが減った状況でたくさんのマシンをパスできました」(琢磨)

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