佐藤琢磨は今季最高の4位。超高速コースで手応えをつかむ (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 両者のスピードもほぼ対等。そこでハンター-レイは、2回目のピットストップで使用タイヤを変える作戦に出た。ニューガーデンがユーズドのソフトを選んだが、ハンター-レイは新品のハードを装着したのだ。

 しかし、最高気温が摂氏23度までしか上がらなかったコンディションでは、この作戦は失敗だった。レッドが1スティントを走り切るのに十分もったのに対して、ハンター-レイは、安定感はあるものの瞬発力に欠けるブラックを履いたことで、少し差を広げられ、最後までアタックを仕掛けることができなかった。

 ニューガーデンは55周にわたって完璧な走り。3回行なわれたピットストップでも、ペンスキーのクルーは素早く確実なピット作業でドライバーをコースに送り出した。これでニューガーデンは今季3勝目に一番乗り。ポイント順位は5位から4位に浮上し、トップとの差は50点と、タイトル防衛を狙えるポジションへと復活した。

「シボレーはパワーだけでなく好燃費も提供してくれた。信頼性の高さも含め、彼らの仕事ぶりを誇りに思う」というコメントで、ニューガーデンはシボレーを喜ばせた。

「コースの前半はライアン・ハンター-レイの方が速く、ターン5で接近されることもあった。しかし、コース後半の、特に長い高速コーナーで僕のほうが速かったことで、抜かれないだけの差をつけることができた」(ニューガーデン)

 一方、2位に敗れたハンター-レイは、「今日はジョセフ・ニューガーデンに脱帽だ。彼は完璧なレースを戦っていた。近づくことはできたが、パスをするところまではいかなかった」と話した。

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