ガスリーも上機嫌。ホンダ新型PUはノーポイントでも競争力アップ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「スペック2」と呼ばれる新型パワーユニットの効果は悪くなかった「スペック2」と呼ばれる新型パワーユニットの効果は悪くなかった「パワーユニットは全体的なパフォーマンスも向上しているし、バッテリー(ディプロイメント)やエネルギーマネジメントもよくなっている。本当にすごくいいステップだったと思うよ。

 今週末はモナコやバルセロナと比べてもシャシーの仕上がりがよくなかったんだけど、それでもマシンパッケージとしてのパフォーマンスを押し上げることができた。このパワーユニットのアップデートが今後、コンシステント(一貫性)にトップ10に入るチャンスをもたらしてくれると思っているよ」(ガスリー)

 そしてもうひとつ、図らずも証明されたのが、トロロッソとホンダの作業効率のよさだった。

 フリー走行3回目が終わってからパワーユニット交換を開始し、モノコックとギアボックスから切り離してそこに新しいものを組み込むまで、およそ30分。電気系や冷却系、補器類の接続を含めても1時間半ほどでファイヤーアップまで完了し、サスペンション周りのアライメント確認なども含めて2時間後の予選に十分に間に合った。

 この背景には、こうした事態に備えて時間のロスを最小限に抑えるための準備を、トロロッソとホンダの間できちんと整えていたことがあった。ホンダの田辺テクニカルディレクターはこう説明する。

「何か不測事態が起きて、想定外にパワーユニットを交換しなければならなくなったとしても、可能なかぎり最短時間で交換を完了し、できるだけ走行時間を失わないようにチームと話をして、(パワーユニット交換をスムーズに行なうための)準備をきちんとしましょう、というふうにしていたんです。

 どういう状態でスペアのパワーユニットを準備しておけばいいのか、何を用意しておけばいいのか、ということです。パイプ類を組みつけておこうとか、事前にできることはやっておくとか。去年のマシンとパワーユニットであれば、あのタイミングからの交換であれば相当ヤバかったというふうに聞いていますが、今回は予選のグリーンシグナルと同時にクルマを送り出すことができましたからね」

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