トロロッソ・ホンダが抱える「2つの不安要素」は開幕戦で解決するか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 そしてもうひとつのタイヤの性能低下については、トロロッソがあえてやっていたことだという。テクニカルディレクターのジェームス・キーはこう説明する。

「たしかにウチのデグラデーション(性能低下)は大きかったけど、あれはタイヤマネージメントを学ぶため、ドライバーのトレーニングの一環としてやったことなんだ。本来ならテスト1回目でそれをやっておいて、2回目のフルレースシミュレーションのなかで本格的なタイヤマネージメントの実践を行なう予定だった。

 だけど、テスト1回目が悪天候でまともな走行ができなかったから、テスト2回目でそのトレーニングをやるしかなかったんだ。あのデグラデーションの大きさというのは、ある意味、なるべくしてそうなっているから心配することではないんだよ」

 テスト最終日のブレンドン・ハートレイはセンサー異常のため、レースシミュレーションの途中からペースを落として走らざるを得なかった。テスト3日目にフルレースシミュレーションを完走したピエール・ガスリーは、やはりキーと同じくタイヤの扱いについてこう語る。

「テストは『テストをするための場』だからね。僕らはいくつかのことを試したんだ。そして、そこから多くを学んだ。タイヤを労りながら走るよりも、むしろアグレッシブにいってどのくらいタイヤが保(も)つのか保たないのかを見て、どのくらいタイヤをマネージしなければならないのかを確認したかったんだ。

 つまり、限界を超えるところまでタイヤを使うというのが(テストでの)ターゲットだった。だから、バルセロナでのデグラデーションの大きさについてはそれほど心配していない。バルセロナは新舗装だったから予想がつかないところもあったし、メルボルンではまた違った話になると思う」

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