佐藤琢磨はホンダの実力派チームに移籍。インディ最終戦はシボレー圧勝 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ディクソン陣営はピットタイミングをずらす作戦を使って何とかペンスキー勢の前に出ようとしたが、その作戦を封じ込めるため、ペンスキー勢は同じ周にピットに入るようにしていた。ディクソンは最終戦をランキング2番手で迎えたが、それをひとつ落としてシリーズ3位で2017年シーズンを終えた。

 最終戦はポイントが通常の倍になる。このダブルポイント・システムがあるため、多少のポイントリードなどひとつ、ふたつ順位を落とせば吹き飛んでしまう。ポイントリーダーとして最終戦を迎えたジョセフ・ニューガーデンは、先輩チームメイトを相手にした予選で、見事にポールポジションを獲得した。

 逆に、ポイント4番手からタイトル防衛を狙うシモン・パジェノーは、予選3位でグリッドは2列目になった。フロントロー外側はポイントランキング5番手で、あまりタイトルの可能性が大きくないウィル・パワー。ポイント3番手のエリオ・カストロネベスは予選4位だった。

 ニューガーデンといえば、シーズン途中までは予選の戦い方が弱点だった。3人のチームメイトたちは、マシンのセットアップ能力、コンディションの読み、ソフトコンパウンドのレッドタイヤのキャラクターの把握、そしてタイヤが最大限の力を発揮するようベストのタイミングでミスなくフライングラップをまとめ上げる力、これらすべてで若いニューガーデンを上回っていた。しかし、26歳のペンスキー1年生は急成長しており、大事な最終戦の舞台で、3人のベテランを超える予選パフォーマンスを発揮した。

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