鈴鹿8耐でヤマハが史上初の3連覇。頂点奪還を狙うホンダを返り討ち (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 そう話す中須賀に、3連覇がかかっているという事実にプレッシャーは感じるか、と重ねて訊ねてみた。

「そこは、今までと変わらないですね。自分たちは218周を記録して219周にほぼ手が届いているけれども、他陣営はまだ届いていない。そういった意味では、自信もあります。周囲に左右されずに、自分の力を出し切る。それがすべてだと思うので、そこに集中していきます」

 今年のチームメイトは、2016年にも一緒に走ったアレックス・ロウズと、ホンダから移籍してきたマイケル・ファン・デル・マークというラインナップになった。ファン・デル・マークはヤマハで8耐を走るのは今年が初めてだが、2013年と2014年にはホンダ陣営のMuSASHi RT HARC-PRO.から参戦して2年連続優勝を獲得した実力の持ち主だ。2015年と2016年はヤマハの中須賀たちが連覇したため、ファン・デル・マークは苦杯を舐める結果になった。

 連敗を喫しつづけてもなお8耐に参戦し続け、さらにヤマハに移籍してふたたび鈴鹿に戻ってきた24歳の彼に、8耐の何が魅力なのか、と尋ねたときのことだ。

「おかしなことだけど、レースを終えるたびにいつも『こんなつらい思いは二度とゴメンだ!』と思うんだ。体力的にもきついし、精神的にもつらいし、正直なところ、レースの最中でもバイクの上で『僕はいったい何をしてるんだろう?』と思うこともあるくらいだ」

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