F1ホンダ、得点0も待望のスペック3は「レースをしている」感あり (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 金曜の走行後にMGU-H(※)に問題が見つかったため、スペアのパワーユニットに交換せざるを得ず、皮肉なことにアロンソは金曜はスペック3、土曜はスペック2で走行して直接的な比較を体感することになった。その反応が、スペック3の前日に比べて「スペック2の今日は全然遅い」というものだったというわけだ。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 予選Q2で7位のロマン・グロージャン(ハース)から12位のアロンソまでは0.283秒差。約0.3秒のタイムアップを果たしたスペック3を積んでいれば、アロンソは余裕を持ってQ3に進むことができたはずだった。

 前戦アゼルバイジャンGPでトラブル対策済みのMGU-Hを投入したにもかかわらず、わずか2戦目のオーストリアでふたたびトラブルに見舞われたことについては、ホンダ内でも動揺が走った。金曜の走行後にマシンを完全に分解してメンテナンスし、夜までにふたたび組み直してエンジンをかけたところ、ターボチャージャーの回転数がスムーズに上がらず、ターボに直結しているMGU-Hの不具合が発覚。急きょスペアパワーユニットへの交換を行なうことになったのだ。

 またしてもターボとつながるシャフトのベアリングに不具合が発生したが、原因はすでに対策を打ったものとは別のところにあった。

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