初ポイントでもアロンソご立腹。ホンダのスペック3で怒りは静まるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「データ上で見ると明らかにアップデートの取り分(効果)が確認できましたし、十分に効果は出ていたと言えます」

 この手応えから土曜日以降も継続して使用したかったが、フリー走行2回目でギアボックスが壊れ、駆動が抜けたことで瞬間的に回転数が跳ね上がってオーバーレブしてしまったため、ホンダは物理的なダメージを懸念して旧型のスペック2に戻すことを決めた。予選でクリアラップが取れなかったうえに、0.1秒以下の差でQ2進出を逃してしまったことを考えると、スペック3が使えていればQ2に進んで本来のパフォーマンスを見せることができたのではないか、という感もある。

 もう一方では、車体側のアップデートも効いた。

 これまで大柄なリアウイングを使い続けてきたマクラーレンMCL32だったが、バクーでは長いストレートに合わせて薄型のリアウイングを持ち込み、フラップ内側をカットしたフロントウイングと併せて空気抵抗の削減に努めてきた。

 ライバル車を見れば、リアにはもっと薄いウイングを装着しており、なかにはフロントのフラップを一部取り払ってまでドラッグを低減――つまり最高速を優先しているチームもあることを考えると、MCL32のそれはまだ決して十分とは言えないかもしれない。

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