バトンのレーシング魂はまだ燃えていた。熱い走りに復帰待望論も

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 インディ500に参戦するフェルナンド・アロンソの代役としてモナコGPに出場するジェンソン・バトンは、チームに懇願されて仕方なく乗るのではないか? バトンの"本気度"について、地元イギリスのメディアでさえ懐疑的な見方をする者は少なくなかった。

アロンソの代役としてジェンソン・バトンがグランプリに帰ってきたアロンソの代役としてジェンソン・バトンがグランプリに帰ってきた なにしろ、昨年の最終戦以来6ヵ月ぶりのF1ドライブであり、格段に速さを増した2017年型マシンのドライブ経験はない。それにも関わらず事前の実走テストも断り、数度のシミュレーターワークだけで準備を終えたというのだから、そう思われても仕方がなかった。

「愛犬に聞いたら『1週間くらいご主人様がいなくてもなんとかなるよ』って言うし、ガールフレンドも『やるべきことをやりなさい』っていうから、僕自身の決断として『イエス』と答えたんだ。嫌なら『ノー』と答えることもできたけどね」

 あくまで自分の意思として代役出場を決めたというバトンは、実走テストを行なわなかったのはモナコがあまりに特殊なサーキットだからだと説明した。確かに、モナコには2017年型マシンの空力性能をフルに発揮できるような高速コーナーは皆無だ。

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