狭いコースに幅広マシン、「発射台」も登場。今年のモナコは一触即発

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 世界でもっとも華やかで洗練された街のひとつに数えられるモナコが、この週末だけはもっとも危険な街へと表情を一変させる。もちろん、それはモンテカルロ市街地サーキットの上だけ、そしてそこを走る20名のドライバーたちだけにとってのことだ。

ガードレールにタイヤをこすりつけながら走るセバスチャン・ベッテルガードレールにタイヤをこすりつけながら走るセバスチャン・ベッテル モナコの住民でもあるルイス・ハミルトンはこう語る。

「僕はここに住んでいるからこの景色はよく見ているし、自分のクルマやバイクで走ることもある。そのたびに、ここを時速320km/hで走るなんて信じられない気分になるよ。たった20人だけがそれを許されるんだ。とてもクールだよね!」

 今年は技術レギュレーションが変わり、F1マシンのスピードは格段に速くなった。車幅タイヤ幅もワイド化している。ただでさえドライバーの真価が問われる難コースのモナコが、今年はさらに鋭い牙を剥くことになるのだ。

 木曜日のフリー走行で走り始めてすぐに、プールサイドの高速シケインでガードレールにタイヤをこすりつけながら走るドライバーが何人もいた。彼らに言わせれば、今までの感覚で飛び込んでいくとそうなるのだという。マシンが200mmワイドになった影響だ。

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