最終ラップにドラマ。ヤマハ通算500勝目はビニャーレスの手に (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「バレンティーノのミスを見たときは、ブレーキングを遅らせて勝負をした。フルパワーでブレーキして深く旋回したけれども、フロントの信頼性がすごくよかった。バレンティーノは絶対にあきらめず、最後に仕掛けてくると思っていたので、ゴールするまで彼が転倒したのはわからなかった」(ビニャーレス)

「今回はプラクティスからうまく走れていたし、今日は今シーズン最高のレースにできると思っていた。最終ラップの6コーナーでミスをしてしまい、マーベリックに抜かれたけれども、最終区間は自信があったのでチャンスがあると思っていた。勝てなかったことが何より残念だし、ポイントを獲得できなかったのも残念」(ロッシ)

 くっきりと明暗の分かれたふたりの言葉も印象的だが、ヤマハにとって大きな節目となったこのレースで、ビニャーレスが500勝獲得ライダーとして名を刻んだことも、なにやら象徴的な感がある。

 ロッシの転倒により、単独で4番手を走行していたダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)が3位を獲得し、ランキングでもビニャーレスから17ポイント差の2番手に浮上した。

「13番手の5列目からスタートして、3位表彰台で終われてよかった。厳しいウィークで予選も難しかったけれども、表彰台を獲得してランキングでもこの位置にいるのはうれしい。バイクも少しずつよくなっている」

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