最終ラップにドラマ。ヤマハ通算500勝目はビニャーレスの手に (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ザルコの直後につけていたロッシが、ラスト6周で満を持してオーバーテイク。トップを走るビニャーレスに迫り、ラスト3周でついにトップに立った。ビニャーレスもその背後でふたたびチャンスをうかがう様子で、2台のマシンは緊張感をはらみながらコーナーからコーナーへと駆け抜けていく。長年、ヤマハファクトリーを支えてきたロッシの走りは、勝利に賭ける執念がにじみ出る一方、今年からヤマハファクトリーへ移籍し、開幕2連勝を挙げたビニャーレスからは静かな自信のようなものも垣間見えた。両名のいずれが勝つにせよ、今回のレースでヤマハはグランプリ通算500勝を達成することになる。

 最終ラップでは、6コーナーでロッシの犯したミスを突いてビニャーレスが前に出た。だが、ロッシも食い下がり、最終区間での再逆転を狙って追走を続ける。と、その矢先の最終シケイン11コーナーでロッシが転倒。コースサイドに滑っていったマシンを引き起こしていったんはまたがったものの、再スタートはならず、なすすべもなく悄然とうなだれた。

 その結果、ビニャーレスがトップでチェッカーフラッグを受けて、今季3勝目を達成した。

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