過去最高の強さ。室屋義秀が、エアレース千葉大会で「ダブル連覇」へ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by red bull

 2戦続けての優勝や表彰台はおろか、ラウンド・オブ・8に進出するのが精一杯という結果では、レース前に優勝を期待するのは難しい状況にあったというのが、昨季の千葉戦だったのである。

 しかし、今季は開幕戦こそエンジンの不調に見舞われ、昨季同様オーバーGを犯してラウンド・オブ・14で敗退したが、エンジンの問題が解消された第2戦では、各ラウンドで対戦相手をねじ伏せて見事に優勝。結果だけでなく、内容的に見ても「圧巻の強さ」と表現していい勝ちっぷりだった。

 室屋自身、1年前を振り返り、「昨季の今の時期は、機体の性能的にもう一歩速くならないと1位は取れない、という状態だった」と明かす。

 実際、昨季は千葉戦の直前、空気抵抗を減らすために機体の胴体とタイヤをつなぐ脚の部分に新型のカバーを取りつけている。室屋が「ファイナル4での2位とのタイム差は0.1秒しかなかったことを考えると、新型カバーで速くなった分が優勝につながったと言えるかもしれない」と話しているように、コンマ1秒を縮めるために、最後の最後まで機体の改造を続けなければいけなかったわけだ。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る