日本人F1ドライバー誕生のため「シートを用意する」ホンダの本気度 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 エンジン持ち込みでF1に乗るということに対して、批判的な声があることも事実だ。しかし、現状では何の資金力も後ろ盾も持たないドライバーがF1にステップアップすることは、ほぼ不可能に近い。であれば、スーパーライセンスを取得する要件を満たす活躍をしたドライバーがいれば、ホンダはF1への突破口を開く支援をする。あとは、本人がF1で活躍することができれば、エンジン持ち込みだろうが日本人のえこ贔屓だろうが、関係はないのだ。

「もちろん、実力のあるドライバーでなければなりませんし、(スーパーライセンスは)そのドライバー本人の力で勝ち獲ってもらいたいです。ただ、この世界は席が20個しかありませんから、コネを一切否定しますなんてクリーンにはいきません(苦笑)。(シート獲得の方法はどうあれ)結果的にF1の世界で頭角を現してくれれば、やり方はどうでもいいと僕は思っています」(長谷川総責任者)

 ホンダのリソースを考えれば、本当はまだ2018年のカスタマー供給には積極的ではないという。マクラーレン・ホンダとして満足のいくものができてもいないのに、まったく同じパワーユニットとはいえ他チームへ供給するとなれば、それだけリソースがそちらに食われてしまうからだ。

 それでもカスタマー供給を行ない、日本人F1ドライバー創出のための下地を整えようとしているのだ。

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