スズキを去る功労者エスパルガロ。残り2戦で有終の表彰台獲得なるか

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 第16戦・オーストラリアGPが行なわれるフィリップ・アイランド・サーキットは、その名称が示すとおり、メルボルンから車で2時間ほど南へ走ったフィリップ・アイランドにある。海に面しているため島内全体の天候が変わりやすく、南側のバスストレイト(海峡)からコース上に吹く海風はタスマニア島、さらにその向こうにある南極方向から非常に冷たい空気を運んでくる。

レース終盤までアレイシ・エスパルガロ(先頭41番)は表彰台争いを演じたレース終盤までアレイシ・エスパルガロ(先頭41番)は表彰台争いを演じた このサーキットで好リザルトを獲得するためには、コンディションに大きな影響を与えるこれらの外部条件を克服することに加え、全18戦中屈指のハイスピードコースでありながら左コーナーに比べて右コーナーの数が少ない、というレイアウト上の特性も巧みに攻略する必要がある。

 今年の第16戦で優勝を飾ったのはカル・クラッチロー(LCRホンダ)。2位は5列目15番グリッドから猛烈な追い上げを見せたバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)。3位には同じく後方の13番グリッドからスタートしたマーベリック・ビニャーレス(チーム・スズキ・エクスター)という顔ぶれが表彰台に並んだ。

 3名とも、この好結果を獲得する背景にはそれだけの理由と、それぞれのドラマがある。だが、その27周の長いレースでは、表彰台をほぼ射程距離圏内に収めながら、一瞬のうちにするりとそれを逃してしまった選手もいる。

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